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トカゲの寿命は何年?
種類別の平均寿命と飼い方【初期・生涯費用を解説】

健康で長生きするフトアゴヒゲトカゲと飼い主の暮らし

更新日:

恐竜を彷彿とさせる野性味あふれる姿と、人懐っこく愛嬌のある性格で人気を集めるトカゲたち。特にフトアゴヒゲトカゲやアオジタトカゲは、昼行性で活発な姿を観察でき、ハンドリング(触れ合い)も楽しめることから、爬虫類飼育の代表格として愛されています。

しかし、「トカゲって何年生きるの?」「紫外線ライトは本当に必要?」「電気代はどのくらい?」など、初めてトカゲを迎える方にとっては疑問や不安も多いでしょう。適切な飼育環境を整えることで、トカゲは10年以上という長い時間を共に過ごすことができる魅力的なパートナーです。

この記事では、人気トカゲの種類別の平均寿命と特徴、健康に過ごしてもらうための正しい飼い方、そして生涯にかかる飼育費用について詳しく解説します。トカゲとの幸せな共同生活をスタートさせるためのガイドとしてお役立てください。

目次

トカゲの平均寿命と種類別の特徴
【フトアゴヒゲトカゲなど4種を比較】

トカゲは種類によって寿命や飼育の難易度が異なります。一般的にペットとして知られている種類は、適切な飼育環境を整えることで10年以上生きることも珍しくありません。ここでは、日本でペットとして飼われる主なトカゲの種類について、その特徴と寿命を解説します。

トカゲ全体の平均寿命の概要

ペットとして飼育される中型〜大型トカゲの平均寿命は、種類によって異なりますが、一般的に8年〜20年程度とされています。適切な飼育により最大25年以上生きる個体もおり、長寿のペットといえるでしょう。

トカゲは爬虫類の中でも比較的活発で観察していて楽しい種類が多く、適切な知識と環境を整えれば長期間健康に飼育することができます。ただし、紫外線ライトやバスキングライトなど、ヤモリやヘビと比べて設備投資が必要な種類が多いのも特徴です。

トカゲが長生きしやすい理由
  • 変温動物のため代謝が遅く、エネルギー消費が少ない
  • 適切な日光浴(紫外線照射)により骨格が丈夫になる
  • 飼育下では天敵がおらず安全
  • 雑食性の種類が多く、栄養バランスを取りやすい
  • 比較的病気にかかりにくい丈夫な体質

これらの要素により、適切な温度・湿度管理と紫外線照射、栄養管理を行えば、トカゲは長期間健康に過ごすことができます。

種類別の寿命一覧表

日本でペットとして人気のあるトカゲの種類について、平均寿命と成体時のサイズをまとめました。これらの数値は適切な飼育環境での目安であり、個体差や飼育状況によって変動します。

種類 平均寿命の目安 全長の目安
フトアゴヒゲトカゲ 8〜12年 40〜55cm
アオジタトカゲ 15〜20年 45〜60cm
ウォータードラゴン
(チャイニーズ
ウォータードラゴン)
10〜15年 60〜90cm
ニホントカゲ 5〜10年 15〜25cm

上記の表から分かるように、多くのトカゲは10年前後という寿命を持ち、長く飼い主さんと過ごすことができるペットです。特にアオジタトカゲやウォータードラゴンは10〜15年と比較的長生きし、長期的なパートナーとして十分な期間を共に過ごすことができます。

トカゲの長寿性は魅力的ですが、同時に飼い主さんには長期的な飼育計画と、最後まで世話をするという視点を持っておくことが大切です。

代表的な種類の特徴と寿命詳細

日本でペットとして飼育されている代表的なトカゲの種類について、それぞれの特徴と飼育のポイントを詳しく解説します。

フトアゴヒゲトカゲ(寿命8〜12年)

フトアゴヒゲトカゲの写真

トカゲ飼育の入門種としてよく飼われる種類です。温和な性格と人に慣れやすい性質、そして比較的丈夫で飼いやすいことから、初心者からベテランの方まで幅広く愛されています。平均寿命は8〜12年といわれていますが、適切な飼育環境により15年以上生きる場合もあります。

フトアゴヒゲトカゲの特徴
  • 成体の全長は40〜55cm程度
  • 温和で人に非常に慣れやすい性格
  • 昼行性で、日中に活発に活動する
  • 喉元のトゲ状の鱗(ヒゲ)が特徴的
  • 威嚇時や興奮時にヒゲを黒く膨らませる
  • 雑食性で、野菜と昆虫の両方を食べる
  • ハンドリング(手に乗せること)を好む個体が多い
飼育上の注意点
温度管理が重要で、バスキングスポット(日光浴場所)は35〜40℃、ケージ全体の温度は28〜32℃、クールスポット(涼しい場所)は24〜26℃に保つ必要があります。紫外線ライト(UVB 10.0〜12.0)とバスキングライトの設置が必須で、1日12〜14時間の照射が推奨されます。幼体時は主に昆虫食、成体になると野菜中心の食生活に移行します。カルシウム・ビタミンD3の補給が骨の健康維持に不可欠です。

アオジタトカゲ(寿命15〜20年)

アオジタトカゲの写真

鮮やかな青い舌が特徴的なオーストラリア原産の中型トカゲです。温和な性格と丈夫な体質、そして比較的飼いやすいことから、トカゲ愛好家に人気の種類です。平均寿命は15〜20年と長寿で、適切な飼育により25年以上生きる個体もいます。

アオジタトカゲの特徴
  • 成体の全長は45〜60cm程度
  • 鮮やかな青い舌が特徴(威嚇時に見せる)
  • 温和でおっとりした性格
  • 昼行性で、地上性(地面を好む)
  • 雑食性(昆虫・野菜・果物・人工飼料)
  • 四肢が短く、ずんぐりした体型
  • 非常に長寿で、20年以上生きる個体も多い
飼育上の注意点
バスキングスポットは32〜38℃、ケージ全体は26〜30℃、クールスポットは22〜25℃を維持します。紫外線ライト(UVB 5.0〜10.0)とバスキングライトの設置が必要です。雑食性のため、昆虫・野菜・果物・専用人工飼料をバランスよく与えます。カルシウム・ビタミンD3の補給も重要です。湿度は40〜60%程度が適切で、乾燥気味を好みます。温和な性格でハンドリングしやすいですが、噛む力が強いため注意が必要です。

ウォータードラゴン(チャイニーズウォータードラゴン)(寿命10〜15年)

ウォータードラゴンの写真

鮮やかなグリーンの体色と、木登り・水泳の両方をこなすアクティブな性質が魅力の中型トカゲです。比較的温和で、人に慣れやすい個体も多く、観察していてとても楽しい種類です。しっかりとした縦長ケージと水場が用意できる方に向いています。

ウォータードラゴンの特徴
  • 成体の全長は60〜90cm程度(尾を含む)
  • 昼行性で、半樹上性(高い場所と水辺を好む)
  • 鮮やかなグリーン〜エメラルドグリーンの体色
  • 水に飛び込んで逃げる習性があり、泳ぎが得意
  • 主に昆虫食だが、野菜や果物も食べる雑食性
  • 比較的温和で、ハンドリングしやすい個体も多い
  • 適切な環境があれば10〜15年と長寿
飼育上の注意点
バスキングスポットは32〜36℃、ケージ全体は26〜30℃、夜間は22〜25℃を維持します。紫外線ライト(UVB 5.0〜10.0)の照射が必須で、1日12〜14時間の照射が推奨されます。
半樹上性で高さのある環境を好むため、最低でも高さ90cm以上、できれば120cmクラスの縦長ケージを用意し、太めの流木や人工のツタなど登り木を複数設置しましょう。
名前の通り水を好むため、全身が浸かれる大きめの水入れ(もしくは小型の水場)を用意し、毎日水換えを行います。水場の管理が不十分だと皮膚病や細菌感染のリスクが高まる点に注意が必要です。

ニホントカゲ(寿命5〜10年)

ニホントカゲの写真

日本の在来種で、幼体時の鮮やかな青い尾が特徴的なトカゲです。身近な存在ながら、飼育下では意外と繊細な管理が必要な種類です。野生個体の採集については、地域の条例等を確認する必要があります。

ニホントカゲの特徴
  • 成体の全長は15〜25cm程度
  • 幼体は鮮やかな青い尾を持つ(成長とともに褐色に変化)
  • 昼行性で、日光浴を好む
  • 非常に素早く、動きが機敏
  • 尾を自切し、再生する
  • 主に昆虫食(コオロギ、ミルワーム等)
  • 日本の気候に適応しているが、飼育下では温度管理が重要
飼育上の注意点
バスキングスポットは30〜35℃、ケージ全体は25〜28℃、クールスポットは22〜25℃を維持します。紫外線ライト(UVB 5.0〜10.0)とバスキングライトの設置が必要です。非常に素早く、わずかな隙間からも脱走するため、ケージの隙間対策と施錠が必須です。野生個体を捕獲する場合は、寄生虫のリスクがあるため動物病院での検査が推奨されます。湿度は50〜70%程度を維持し、水入れと霧吹きで水分補給をさせましょう。

トカゲの寿命を左右する重要な要因

トカゲの寿命は種類や遺伝的要素だけでなく、飼い主さんの日々の飼育管理によって大きく左右されます。適切なケアを行うことで、平均寿命を上回って長生きするトカゲは決して珍しくありません。

寿命に影響する主な要因

寿命を縮める要因
  • 不適切な温度管理(低温・高温・急激な変化)
  • 紫外線不足(代謝性骨疾患の原因)
  • 栄養バランスの悪い食事(カルシウム不足・ビタミン不足)
  • 不衛生な飼育環境(細菌感染・寄生虫)
  • ストレスの多い環境(過度なハンドリング・狭いケージ)
  • 病気の早期発見・治療の遅れ
長寿につながる要因
  • 種類に適した温度・湿度の年間維持
  • 適切な紫外線照射(UVB)とバスキング環境
  • バランスの取れた栄養管理(カルシウム・ビタミンD3補給)
  • 清潔な飼育環境の維持(定期的な掃除・糞の除去)
  • 適切なケージサイズとレイアウト
  • 定期的な健康チェックと早期治療
長寿トカゲの共通点

15年以上生きる長寿トカゲの飼育事例から、共通して見られる特徴があります。

  • 年間を通じて安定した温度・湿度管理
  • 毎日適切な時間の紫外線照射(UVB)
  • カルシウム・ビタミンD3の定期的な補給
  • 種類に適したバランスの良い食事
  • 清潔な環境維持と定期的な健康観察
  • 異変時の早期受診と適切な治療

トカゲは比較的丈夫な爬虫類ですが、日々の適切な管理の積み重ねが長寿につながります。特に紫外線照射と温度管理、栄養管理は、トカゲの健康維持に欠かせない重要な要素です。

トカゲ飼育にかかる費用と経済計画

トカゲは生体価格が比較的手頃な種類もいますが、飼育環境を整えるための初期費用や、紫外線ライト・バスキングライトの電気代、そして餌の購入費用など、継続的なコストがかかります。長寿であるがゆえに、生涯にかかる総費用を事前に把握しておくことが大切です。

初期費用の詳細(総額目安)

トカゲを健康に飼育するためには、温度・湿度管理と紫外線照射の専用設備が不可欠です。種類によって必要な設備が若干異なりますが、基本的な初期費用は以下の通りです。

項目 価格目安
生体価格
(フトアゴヒゲトカゲ)
15,000〜40,000円
飼育ケージ
(90〜120cm)
20,000〜40,000円
紫外線ライトセット
(灯具+球)
5,000〜10,000円
バスキングライトセット
(灯具+球)
3,000〜6,000円
保温球・暖突
(夜間・全体保温)
5,000〜10,000円
サーモスタット
(温度制御)
4,000〜10,000円
床材・シェルター・
水入れ・餌等
5,000〜10,000円
合計目安 57,000円〜126,000円
  • 希少なモルフ(カラー)の場合、生体価格だけで5万円〜10万円を超えることもあります。ウォータードラゴンの生体価格は8,000円〜20,000円程度です。

トカゲの飼育には、ヤモリやヘビと比べて紫外線ライトとバスキングライトが必須となるため、初期費用がやや高めになります。また、ウォータードラゴンなどは成長が早く、すぐに大きなケージへの買い替えが必要になる点も考慮が必要です。

月々の維持費(電気代・餌代)

トカゲの飼育で継続的にかかる費用は、主に電気代と餌代です。特に紫外線ライトとバスキングライトを長時間点灯するため、電気代は想像以上にコストがかかる場合があります。

項目 月額目安
餌代
(生餌・野菜・人工飼料)
2,000〜5,000円
電気代
(ライト類・ヒーター)
2,000〜6,000円
(季節により異なる)
消耗品積立
(ライト交換・床材)
1,000〜2,000円
合計 6,000円〜13,000円

紫外線ライトは点灯していても半年〜1年でUVB照射量が落ちるため、定期的な交換が必要です。電気代は季節により変動し、冬場は保温器具も加わるため、夏場の1.5〜2倍になることもあります。年間で7万〜15万円程度の維持費がかかると見積もっておくのが現実的です。

餌代の詳細

トカゲの餌は種類によって異なり、それぞれコストが変わります。

餌の種類 費用目安
生餌
(コオロギ・デュビア)
月2,000〜4,000円
野菜・果物
(フトアゴヒゲトカゲ等)
月1,000〜2,000円
人工飼料
(トカゲ用フード)
月1,000〜2,500円
サプリメント
(カルシウム・ビタミン)
月300〜500円

フトアゴヒゲトカゲは幼体時は主に昆虫食、成体になると野菜中心の食生活に移行するため、成長段階によって餌代が変動します。ウォータードラゴンは雑食性ですが昆虫食の割合が高いため、生餌代が継続的にかかります。

生涯コストと医療費への備え

トカゲの寿命を12年、月々の維持費を平均8,000円とした場合、生涯維持費だけで約115万円になります。初期費用や設備の買い替え、医療費を加えると、生涯コストは約100〜230万円程度になる可能性があります。

生涯コストの内訳(12年飼育の場合)

項目 費用目安
初期費用 60,000〜120,000円
維持費(12年分) 86万円〜187万円
設備買い替え
(ライト・ケージ等)
50,000〜150,000円
医療費
(健診・治療費)
50,000〜200,000円
生涯コスト合計 約102万円〜234万円

この金額は、小型犬や猫の飼育費用に比べればやや抑えられますが、決して無視できる水準ではありません。トカゲの飼育を検討する際は、この長期的な経済負担を十分に理解しておくことが重要です。

トカゲの医療費事情

トカゲは比較的病気になりにくい動物ですが、一度体調を崩すと治療が長期化しやすく、エキゾチックアニマル専門の動物病院での受診が必要になります。

治療費の目安(全額自己負担)
  • 初診料・基本検査:3,000〜8,000円
  • 血液検査・レントゲン:8,000〜20,000円
  • 代謝性骨疾患の治療:10,000〜40,000円
  • 脱皮不全の処置:3,000〜10,000円
  • 卵詰まりの手術:30,000〜100,000円

犬や猫などと同様に、トカゲもペット保険に加入することができます。「SBIプリズム少額短期保険」など、爬虫類に対応した保険商品は限られていますが、万が一の高額医療費に備える手段として検討する価値があります。

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トカゲを飼う前に知っておきたいリスクと対策

トカゲとの幸せな生活を送るためには、楽しい面だけでなく、起こりうるリスクについても事前に理解しておくことが大切です。特に「サルモネラ菌感染」「代謝性骨疾患」「電気代高騰」など、事前に理解しておくべきポイントがあります。

サルモネラ菌などの衛生管理リスク

トカゲを含む爬虫類は、健康な個体でも腸内にサルモネラ菌を保有している可能性があります。これは人間(特に乳幼児や高齢者)に感染すると食中毒症状を引き起こすリスクがあります。

感染予防の鉄則
  • トカゲやケージに触れた後は、必ず石鹸で手を洗う
  • ケージを洗う際は、キッチン(食品を扱う場所)を使わない
  • トカゲを部屋に放し飼いにしない(排泄物の管理が困難)
  • 免疫力の低い乳幼児や高齢者との接触は避ける
  • 定期的な糞便検査で寄生虫や細菌の有無を確認

適切な衛生管理を行えば、サルモネラ菌感染のリスクは大幅に減らすことができます。家族全員で衛生ルールを共有し、実践することが重要です。

代謝性骨疾患(MBD)のリスク

トカゲ飼育で最も注意すべき病気が「代謝性骨疾患(MBD: Metabolic Bone Disease)」です。紫外線不足やカルシウム不足により骨が軟化・変形する病気で、重症化すると歩行困難や骨折を引き起こします。

代謝性骨疾患の原因と症状
  • 主な原因:
    紫外線(UVB)照射不足、カルシウム不足、ビタミンD3不足
  • 初期症状:
    下顎の腫れや変形、四肢の骨が曲がる
  • 進行症状:
    歩行困難・ふらつき、食欲不振・体重減少
  • 重症症状:
    骨折しやすくなる、呼吸困難
代謝性骨疾患の予防方法
  • 毎日適切な時間の紫外線(UVB)照射(12〜14時間)
  • カルシウムパウダーのダスティング(毎回または週数回)
  • ビタミンD3入りサプリメントの定期的な使用
  • バランスの取れた食事(カルシウム:リン = 2:1が理想)
  • 定期的な健康チェックと早期発見

代謝性骨疾患は早期発見・早期治療が重要です。上記の症状が見られたら、速やかにエキゾチックアニマル専門の動物病院を受診しましょう。

電気代高騰と設備トラブルのリスク

トカゲ飼育では紫外線ライトやバスキングライトを長時間使用するため、電気代が高額になりがちです。また、これらの機器が故障した場合、トカゲの健康に直結する問題となります。

電気代と設備管理の注意点
  • 月額3,000〜6,000円程度の電気代が継続的に発生
  • 紫外線ライトは6〜12ヶ月で交換が必要(年間1〜2万円)
  • バスキングライトは突然切れることがあるため、予備球が必須
  • サーモスタットの故障は温度異常を引き起こす危険性
  • 停電時の対策(バッテリー駆動ヒーター等)も検討が必要

これらのリスクを軽減するため、予備の電球やヒーターを常備し、定期的な機器点検を行うことをおすすめします。

医療費のリスクと備え方

トカゲの診療費は全額自己負担になるため、検査や治療が必要な場合には数万円単位の費用が必要になることがあります。特に代謝性骨疾患(MBD)や消化管疾患などは長期的な治療が必要になり、医療費が高額になりがちです。トカゲの医療費に備える方法として、主に「貯蓄による備え」と「ペット保険への加入」の2つの選択肢があります。

貯蓄による備えの考え方

毎月一定額を「トカゲ専用の医療費積立」として貯蓄する方法です。代謝性骨疾患や外傷、呼吸器疾患など、突然まとまった治療費が必要になるケースに備えた現実的な対策といえます。

貯蓄による備えのポイント
  • 目安金額:
    月2,000〜4,000円程度を積立て、年間で3〜5万円を目標
  • 長期視点:
    10〜20年の寿命(種類による)を考慮し、継続的に積立てる
  • メリット:
    保険料不要、使わなければ貯蓄として残る
  • デメリット:
    飼い始めてすぐの高額治療には対応できない可能性

ペット保険という選択肢

保険料を支払うことで、トカゲの補償範囲内のケガや病気による治療費を一部または全額カバーしてくれる保険です。爬虫類対応のペット保険は限定的ですが、選択肢は存在します。

ペット保険のポイント
  • 補償内容:
    補償範囲内の通院・入院・手術の費用を一定割合補償
  • メリット:
    補償開始後は飼い始めてすぐでも高額治療時の負担軽減
  • デメリット:
    保険料が必要、爬虫類対応保険は選択肢が限定的
  • 注意点:
    既往症や先天性疾患は補償対象外の場合が多い

執筆時点では、トカゲが加入できるペット保険として「SBIプリズム少額短期保険」があります。爬虫類の保険は犬猫に比べて選択肢が少ないため、加入を検討する場合は補償内容を十分に確認することが大切です。

保険料と補償内容の詳細を確認したい方へ
トカゲの保険料検索
どちらを選ぶべき?

貯蓄と保険のどちらが適しているかは、飼い主さんの経済状況やリスクに対する考え方によって異なります。

飼い始めてすぐの時期や、高額な治療費が心配な方はペット保険への加入がおすすめです。一方、計画的に貯蓄ができ、ある程度の余裕資金がある方は貯蓄による備えでも対応可能です。

また、両方を併用する方法もあります。ペット保険でカバーできない部分に備えて貯蓄もしておくことで、より安心してトカゲとの生活を楽しめます。

トカゲが健康で長生きするための飼い方【実践ガイド】

トカゲの健康は「紫外線」「温度」「栄養」の管理で決まります。ここでは、トカゲが健康で長生きするための実践的な飼育方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。

実践ガイド 1種類別の温度・湿度・紫外線管理

変温動物であるトカゲは、環境温度に体温が左右されるため、適切な温度・湿度・紫外線管理が健康維持の鍵となります。種類によって適切な環境が異なるため、飼育する種類に合わせた管理が必要です。

フトアゴヒゲトカゲの環境管理

フトアゴヒゲトカゲの温度・紫外線設定
  • バスキングスポット:35〜40℃(バスキングライトで加温)
  • ケージ全体:28〜32℃
  • クールスポット:24〜26℃
  • 夜間温度:22〜26℃
  • 湿度:30〜40%(乾燥気味を好む)
  • 紫外線:UVB 10.0〜12.0を12〜14時間照射
  • 温度勾配:ケージ内に温度差を作り、自分で快適な場所を選べるようにする

バスキングライトはケージの一端に設置し、反対側にクールスポットを作ります。紫外線ライト(UVB)はケージ全体を照らすように設置し、タイマーで自動点灯・消灯させます。湿度は低めを好むため、過度な霧吹きは不要ですが、脱皮前は40〜50%程度に上げることが推奨されます。

ウォータードラゴンの環境管理

ウォータードラゴンの温度・紫外線設定
  • バスキングスポット:32〜36℃
  • ケージ全体:26〜30℃
  • クールスポット:22〜25℃
  • 夜間温度:22〜25℃
  • 湿度:60〜80%(高湿度を好む)
  • 紫外線:UVB 5.0〜10.0を12〜14時間照射

ウォータードラゴンは高湿度を好むため、毎日1〜2回の霧吹きが必要です。大きめの水入れを設置し、全身が浸かれるようにします。高さのあるケージと登り木の設置も準備するようにしましょう。

実践ガイド 2栄養管理と餌の与え方

適切な栄養管理は、トカゲの健康と長寿を支える重要な要素です。種類によって食性が異なるため、それぞれに適した餌と給餌方法を理解しましょう。

フトアゴヒゲトカゲの食事管理

年齢 餌の種類 給餌頻度
幼体
(0〜6ヶ月)
小型コオロギ
デュビア(小)
毎日
(食べるだけ)
若体
(6ヶ月〜1年)
中型コオロギ
デュビア(中)
毎日
(野菜5:昆虫5)
成体
(1年以上)
野菜中心
時々昆虫
2〜3日に1回
(野菜8:昆虫2)
栄養補給で重要なポイント
  • ダスティング:
    餌にカルシウムパウダーをまぶす(毎回または週数回)
  • ガットローディング:
    餌となる昆虫に栄養価の高い餌を与えておく
  • ビタミンD3:
    週1〜2回、ビタミンD3入りサプリメントを使用
  • 野菜の種類:
    小松菜、チンゲン菜、カボチャ、ニンジン等(シュウ酸の少ない野菜)
  • 水分補給:
    常に新鮮な水を用意し、時々霧吹きで水分補給

フトアゴヒゲトカゲは成長とともに食性が変化します。幼体時は成長に必要なタンパク質を昆虫から摂取し、成体になると野菜中心の食生活に移行します。

実践ガイド 3日常の健康チェックと脱皮管理

トカゲは病気を隠す習性があるため、日々の観察と適切な健康チェックが大切です。また、定期的な脱皮の管理も欠かせません。

毎日確認すべき健康サイン

食欲・活動量

昼行性のため、日中の活動状態を観察します。いつもと比べて食欲が落ちていないか、動きが鈍くなっていないか、バスキングスポットで日光浴をしているかをチェックします。

体重測定

週1回程度、デジタルスケールで体重を測定します。急激な体重減少(10%以上)は病気のサインです。

脱皮の状態

脱皮不全(指先や尾の先端に古い皮が残る)は循環障害や壊死の原因になります。脱皮前は湿度をやや高めに保ち、脱皮後は皮が完全に取れているか確認します。

排泄物の確認

糞の形・色・量・頻度をチェックします。健康な糞は茶色〜黒色で固形、白い尿酸部分が付いています。下痢、血便、寄生虫の有無などを観察します。

骨格の異常

代謝性骨疾患の兆候がないか、下顎の腫れや四肢の変形がないかを定期的にチェックします。

ストレス管理のポイント

ストレスを減らす飼育環境
  • 隠れ家を複数設置し、安心できる場所を提供
  • ケージは人の出入りが多い場所を避ける
  • 過度なハンドリング(手に乗せること)は避ける
  • 昼行性のため、夜間は暗く静かな環境を保つ
  • ケージ内のレイアウト変更は最小限にする

トカゲは「なんとなく元気がない」「いつもと違う」という飼い主さんの直感も重要です。心配な症状があれば、早めに爬虫類専門の動物病院を受診しましょう。

トカゲの飼い方に関するよくあるご質問

これからトカゲを飼う方や、飼い始めたばかりの方からよくある質問をまとめました。

トカゲは本当に長生きするのですか?何年くらい生きますか?

はい、トカゲは適切な飼育により長寿なペットです。特に人気の高いフトアゴヒゲトカゲは8〜12年生きることが一般的で、適切な飼育により15年以上生きる個体も珍しくありません。アオジタトカゲやウォータードラゴンも10〜15年近く生きることがあります。

ただし、これは適切な飼育環境(温度管理、紫外線照射、栄養管理等)が整っている場合の話です。不適切な環境では寿命が大幅に短くなる可能性があります。

そのため、トカゲを迎える際は10年以上にわたる長期的な飼育計画と、最後まで世話をするという視点を持っておくことが大切です。

初心者におすすめのトカゲの種類はどれですか?

初心者の方には以下の種類がおすすめです。

フトアゴヒゲトカゲ:トカゲ飼育の入門種として人気が高く、温和で人に慣れやすい性格です。雑食性で餌のバリエーションが豊富で、比較的飼いやすいのが特徴です。

アオジタトカゲ:温和でおっとりした性格で、人工飼料にも慣れやすい種類です。丈夫で長寿なため、長く付き合えるパートナーになります。

ウォータードラゴンは美しい種類ですが、高湿度管理と水場の維持が必要なため、やや中級者向けです。

トカゲに紫外線ライトは必要ですか?

はい、ほとんどのトカゲには紫外線ライト(UVB)が必須です。

トカゲは紫外線(UVB)を浴びることで体内でビタミンD3を合成し、カルシウムを吸収します。紫外線不足は代謝性骨疾患(MBD)の原因となり、骨の軟化・変形を引き起こします。

フトアゴヒゲトカゲやウォータードラゴンなど、昼行性で日光浴を好む種類は、UVB 5.0〜12.0の紫外線ライトを毎日12〜14時間照射する必要があります。

自然光(窓越しではなく直射日光)での日光浴も有効ですが、季節や天候に左右されるため、紫外線ライトとの併用が推奨されます。

トカゲの飼育にはどのくらい費用がかかりますか?

初期費用として6〜13万円程度が必要です。月々の維持費は6,000〜13,000円程度(主に餌代・電気代)がかかります。

トカゲの寿命を12年とした場合の生涯コストは、100〜230万円程度になる可能性があります。これは小型犬や猫の飼育費用に比べればやや抑えられますが、決して少額ではありません。

特に餌代(生餌・野菜)と電気代(紫外線ライト・バスキングライト・保温器具)は継続的にかかるため、長期的な経済計画を立てておくことが重要です。

トカゲにペット保険は必要ですか?

トカゲの医療費は全額自己負担となり、治療が必要な場合には数万円かかることがあります。また、トカゲは長寿であるため、生涯で複数回の医療処置が必要になる可能性があります。

爬虫類対応のペット保険は犬猫に比べて選択肢が限定的ですが、執筆時点ではSBIプリズム少額短期保険などがトカゲの保険を提供しています。経済的負担軽減のため、加入を検討することをおすすめします。

トカゲが加入できる商品の具体的な保険料や詳細は、「トカゲの保険料ページ」をご確認ください。

ペット保険に加入しない場合でも、毎月一定額を「トカゲ専用の医療費積立」として貯蓄しておくことが大切です。年間2〜4万円程度を医療費予算として確保しておくと安心です。

生餌が苦手ですが、トカゲは飼えますか?

トカゲの種類によって異なります。

人工飼料で飼育可能:アオジタトカゲは雑食性で、専用の人工飼料に慣れやすい種類です。フトアゴヒゲトカゲも成体になると野菜中心の食生活になるため、昆虫の給餌頻度は減ります。

生餌が必要:ウォータードラゴンは昆虫食の割合が高く、ニホントカゲは完全な昆虫食のため、生きた昆虫を継続的に用意する必要があります。

生餌の管理に不安がある方は、アオジタトカゲや成体のフトアゴヒゲトカゲを選ぶことをおすすめします。また、冷凍コオロギや乾燥コオロギなど、生きていない餌も選択肢になります。

その他のペット保険に関するご質問については、ペット保険のよくあるご質問ページもご確認ください。

よくあるご質問

まとめ|トカゲとの長い暮らしのために

トカゲは、穏やかな仕草と独特の存在感で、私たちの毎日に癒やしを与えてくれるペットです。特にフトアゴヒゲトカゲやアオジタトカゲは、人に慣れやすく、日中の様子をゆっくり眺められる相棒として大切な家族となり得るでしょう。

しかし、その健康を守るためには、太陽の代わりとなる強力なライトや温度管理設備、そして継続的な電気代というコストがかかります。また、サルモネラ菌感染や代謝性骨疾患などのリスクも理解しておく必要があります。安易に飼い始めるのではなく、10年先のライフスタイルや経済状況まで考えた上で迎えることが、飼い主さんとトカゲ双方の幸せにつながります。

また、トカゲの病気やケガは、犬猫以上に情報が少なく、治療できる病院も限られています。いざという時に後悔しないためにも、近くのエキゾチックアニマル対応病院の確認や、医療費に備えた貯蓄・ペット保険の検討を、お迎え前から進めておきましょう。

適切な環境と、日々の小さなケアの積み重ねがあれば、トカゲとの暮らしはとても穏やかで、長く続くものになります。本記事が、トカゲを家族に迎えるかどうか検討されている方の判断材料として、そしてお迎え後の具体的な飼育ガイドとして、お役に立てば幸いです。

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この記事の情報は一般的な飼育情報を基にしており、個々のトカゲの種類や個体によって適切な飼育方法は異なります。トカゲの飼育や健康管理に関するご不明な点は、爬虫類専門店やエキゾチックアニマル診療に対応した動物病院にご相談ください。また、各種費用の目安や診療費は地域や病院によって異なります。加えて、ペット保険に関する内容は各保険会社の最新の約款をご確認ください。

執筆者
染谷 弥幸(1級ファイナンシャル・プランニング技能士/株式会社アイ・エフ・クリエイト)

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