ペット保険お役立ち情報
キャバリアに多い病気・治療費とは?
実際の支払事例でわかるペット保険の必要性
更新日:
キャバリア(正式名称:キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル)は、温厚で優しい性格と、チャールズ2世が愛した犬種として知られる歴史から、家庭犬として非常に人気があります。しかし、その遺伝的傾向により、循環器疾患や消化器疾患など、かかりやすい病気があることをご存知でしょうか。
PS保険への実際の請求では、2歳の若齢犬が消化器疾患・腹水で353万円を超える事例も報告されており、若齢期からのリスク管理が極めて重要であることが示されています。
さらにキャバリアは心臓病の発症率が高く、若い年齢でも重篤な疾患を発症することがあります。このような遺伝的疾患の高額治療費リスクに備えるためには、若齢期からの加入と遺伝的疾患をカバーできる保険の比較検討が不可欠です。
この記事では、PS保険に寄せられた実際の保険金請求データや支払い事例を基に、キャバリアに多い病気とその治療費について詳しく解説し、最適な保険選びのポイントもご紹介いたします。
- 出典:ペットメディカルサポート提供データ
(PS保険の保険金請求件数を基に算出|ペットメディカルサポート調べ)
- 目次
PS保険の保険金請求データで見る!
キャバリアがかかりやすい病気や診療費の目安
PS保険の保険金請求データの集計によると、キャバリアのかかりやすい病気は多岐にわたります。ここでは、請求件数上位5つの疾患の紹介や、各疾患の症状・原因・治療内容を詳しく解説します。
キャバリアの保険金請求件数TOP5の病気と診療費の平均値
以下の表は、PS保険の保険金請求上位5つのデータに基づいた、キャバリアに多い病気と診療費の目安です。通院回数や入院・手術の可否など治療内容によって費用は大きく変動するため、あくまで参考としてご覧ください。
| 病名 | 診療費の目安 (保険金請求の平均値) |
|
|---|---|---|
| 1位 | 外耳炎 | 16,000円 |
| 2位 | 下痢 | 9,000円 |
| 3位 | 胃腸炎 | 15,000円 |
| 4位 | 皮膚炎 | 16,000円 |
| 5位 | 膀胱炎 | 15,000円 |
- 上記データはペットメディカルサポートのPS保険の保険金請求実績を基に算出した内容です。そのため、一般的に言われている犬種ごとの傾向とは異なる場合があります。
- また診療費目安については保険金請求実績から算出した平均値であり、実際の診療費は個体差や症状の重さ、動物病院によって異なります。
キャバリアがかかりやすい主な疾患の詳細解説
PS保険のデータで上位を占めた「外耳炎」「下痢」「胃腸炎」は、キャバリアの小型犬特有の身体的特徴と温和な性格に関連した疾患です。体重5~8kgの小型体格、絹のような長い垂れ耳、穏やかで人懐っこい性格により、日常のケアや環境管理が難しくなる場合があり、それが外耳炎や下痢などのリスクに関わることがあります。
1位:キャバリアの外耳炎の主な症状・原因・治療法
外耳炎はキャバリアの長い垂れ耳の構造により発症頻度が高い疾患です。耳道の通気性が制限され、被毛の密度により湿度が上昇しやすく、細菌や真菌の増殖に適した環境が形成されやすい特徴があります。
- 主な症状
-
- 頻繁に耳を掻く、頭を振る動作を繰り返す
- 黄褐色~茶色の耳垢が増える、独特の強いにおいがする
- 耳の中が赤く腫れる、耳道が狭く見える
- 長い耳の毛が汚れて固まる、触ると嫌がる
- 主な原因
-
- 垂れ耳の構造…………
長い垂れ耳による通気性不良と湿度上昇 - 被毛の密度……………
耳道周辺の密な被毛による汚れの蓄積 - アレルギー体質………
食べ物・環境のアレルゲンによる慢性炎症 - 細菌・真菌感染………
湿った環境での病原体の異常増殖
- 垂れ耳の構造…………
- 主な治療法
-
専用洗浄液による丁寧な耳道清拭と、病原体に応じた点耳薬(抗菌・抗真菌・抗炎症薬)を使用します。重症例では全身抗生物質治療も必要となります。
キャバリア特有の管理として、定期的な耳毛カットと、毎日の耳チェック・清拭による予防的ケアが再発防止に不可欠です。
垂れ耳犬種の外耳炎は慢性化しやすいため、美しい耳を保つためにも継続的な予防ケアが重要です。
2位:キャバリアの下痢の主な症状・原因・治療法
下痢はキャバリアの小型犬特有の消化器系の繊細さと、温和で人懐っこい性格による食事管理の難しさが影響する疾患です。人間との距離が近いため、不適切な食べ物を与えられる機会が多いことも要因となります。
- 主な症状
-
- 水のような軟便が続く、トイレの回数が増える
- 食欲が落ちる、いつもの元気がない
- 血が混じった便、粘液状の便が出る
- 主な原因
-
- 食事の問題……………
人間の食べ物・おやつの与えすぎ・フード急変 - 感染性腸炎……………
病原性の細菌・ウイルス・寄生虫感染 - ストレス………………
環境変化・分離不安による腸の機能異常 - 薬の副作用……………
抗生剤・消炎鎮痛剤・ワクチン反応
- 食事の問題……………
- 主な治療法
-
軽症では絶食と整腸薬による治療を行いますが、脱水症状がある場合は点滴治療が必要となります。感染が原因の場合は、検査結果に基づいて適切な抗菌薬を選択使用します。
小型犬の特性を考慮し、少量頻回の食事と消化性の高い療法食への段階的移行、家族全員での食事管理の徹底が重要です。
キャバリアは人懐っこい性格のため、家族全員が食事管理のルールを守ることが下痢予防の重要なポイントです。
3位:キャバリアの胃腸炎の主な症状・原因・治療法
胃腸炎はキャバリアの小型犬特有の高い代謝率と、社交的な性格による食事への関心の高さが影響する消化器疾患です。人間との密接な関係により、食事の機会が多く、消化器トラブルの要因となることがあります。
- 主な症状
-
- 急にごはんを食べなくなる、繰り返し吐く
- 軟便から水様下痢への急激な変化
- お腹を丸めるような姿勢をとる、触ると痛がる
- 元気がなくなる、いつもの人懐っこさがない
- 主な原因
-
- 不適切な食事…………
人間の食べ物・脂質過多・食べすぎ - 社交性による影響……
来客時の興奮・ストレスによる消化不良 - 感染……………………
細菌・ウイルスによる胃腸の感染 - 異物誤飲………………
小型玩具・食べ物以外の物の摂取
- 不適切な食事…………
- 主な治療法
-
胃酸を抑える薬や腸の調子を整える薬を使い、必要に応じて点滴で水分を補います。感染が原因の場合は、適切な抗菌薬を選んで使用します。
キャバリアの社交的な性格を考慮し、ストレス軽減のための環境調整と、段階的な食事復帰による消化器への負担軽減が治療成功の重要なポイントです。
小型犬では脱水の進行が速いため、なるべく早い段階で動物病院を受診することが推奨されます。
その他、注意すべきキャバリアがかかりやすい病気
キャバリアは優雅で温厚な小型犬として人気ですが、その遺伝的素因から、外耳炎や下痢などの上位5位の病気以外にも犬種特有のリスクを抱えています。ここでは、特に重要な代表的疾患とその概要を解説します。
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 僧帽弁閉鎖不全症はキャバリアに極めて多い心疾患で、5歳前後で約半数の個体に心雑音が認められるとする報告もあり、10歳前後では多くの個体で心雑音や心疾患の所見がみられるとされています。この疾患では咳や呼吸困難、運動不耐性、失神などの症状が現れます。進行性疾患で最終的に心不全に至るため、診断には心エコー検査が必要です。治療は強心剤や利尿剤などの内科療法が中心となり、継続的な投薬管理が必要で、月々数万円の治療費が生涯にわたって発生することがあります。
- 脊髄空洞症
- 脊髄空洞症はキャバリアに特有の神経疾患で、頭蓋骨の奇形により脳脊髄液の循環障害が起こり、脊髄内に空洞が形成される病気です。首や肩の痛み、空中を掻くような仕草、感覚異常、歩行障害などの症状が見られます。診断にはMRI検査が必要で、治療は疼痛管理や外科手術が選択されますが、根本治療は困難です。手術費用は50万円~150万円程度かかる場合があります。
- 変性性脊髄症(DM)
- 変性性脊髄症(DM)は進行性の神経変性疾患で、キャバリアでも見られる遺伝性疾患です。後肢の筋力低下から始まり、徐々に麻痺が進行し、最終的に前肢にも影響が及びます。現在のところ根本治療法はなく、理学療法やサポート器具により生活の質を維持する対症療法が中心となります。遺伝子検査により事前にリスクを把握することが可能です。
- 白内障・進行性網膜萎縮症(PRA)
- キャバリアは遺伝性眼疾患を起こしやすい犬種です。白内障では水晶体の白濁により視力が低下し、進行性網膜萎縮症(PRA)では網膜細胞の徐々な変性により最終的に失明に至る可能性があります。白内障の外科治療(水晶体摘出術)では20万円~50万円程度の費用がかかる場合があり、術後の継続的な管理も必要です。
- てんかん
- てんかんは脳機能異常による発作性疾患で、キャバリアでも比較的多く見られる疾患です。全身痙攣、意識消失、よだれ、失禁などの症状が見られ、診断にはMRIや脳波検査が必要となることがあります。生涯にわたる抗てんかん薬の管理が必要で、継続的な治療費が発生します。適切な治療により多くの症例で発作をコントロールできますが、定期的な血中濃度測定や肝機能チェックも必要です。
このように、キャバリアは特に心疾患と神経疾患のリスクが極めて高く、多くが遺伝的素因を背景とした進行性疾患です。早期発見と適切な管理により症状をコントロールできる疾患が多いため、定期検診の重要性が非常に高い犬種といえます。ペット保険により長期治療に備えることで、経済的負担を軽減できます。
実際のPS保険の保険金請求・支払事例で見る高額医療費のリスク
キャバリアは消化器疾患や循環器疾患、肝臓疾患などを発症する可能性があり、特に心疾患では非常に高額な治療費が必要となる傾向があります。ここでは、PS保険の実際の支払い事例を基に、病気ごとの保険金請求金額と補償割合の実例から、高額医療費リスクの現実を確認してみましょう。
- 支払事例について
-
保険金請求額とはお客様から請求があった金額のことで、その疾患にかかった診療費の合計の目安ともいえます。以下の理由により、お支払い額が保険金請求金額×補償割合を下回ることもあります。
- 保険金には1日(1回)あたりの支払限度があるため
- 獣医師により、既に発見されている先天性疾患や治療中の病気や予防措置については補償対象外となるため
- 保険金のお支払い対象とならない病気、診療費があるため
支払い事例 1【消化器疾患、腹水など】2歳のキャバリアの場合
| ペットの年齢 | 補償割合 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 2歳 | 70% | 消化器疾患、腹水など |
| 保険金請求金額 (診療費の合計の目安) |
|---|
| 3,537,000円 |
| 保険支払金額 |
|---|
| 870,000円 |
- CHECK
- 若齢期のキャバリアにおける消化器疾患と腹水の治療で、診療費が353.7万円の超高額となった事例です。70%補償により87万円の保険金が支払われ、高額な治療費に対してペット保険が重要な経済的サポートを提供しています。若い年齢でも重篤な疾患が発症する可能性があり、早期からのペット保険加入の重要性が示されています。
支払い事例 2【循環器疾患、耳疾患】9歳のキャバリアの場合
| ペットの年齢 | 補償割合 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 9歳 | 100% | 循環器疾患、耳疾患 |
| 保険金請求金額 (診療費の合計の目安) |
|---|
| 2,772,000円 |
| 保険支払金額 |
|---|
| 570,000円 |
- CHECK
- 中年期でのキャバリアに多い循環器疾患と耳疾患の複合治療で、診療費が277.2万円の超高額となった事例です。100%補償プランにより57万円の保険金が支払われています。キャバリアに遺伝的に多い僧帽弁閉鎖不全症などの心疾患は長期間の治療が必要となり、ペット保険による継続的なサポートが治療継続に重要な役割を果たします。
支払い事例 3【循環器疾患、肝臓疾患】13歳のキャバリアの場合
| ペットの年齢 | 補償割合 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 13歳 | 50% | 循環器疾患、肝臓疾患 |
| 保険金請求金額 (診療費の合計の目安) |
|---|
| 2,322,000円 |
| 保険支払金額 |
|---|
| 325,000円 |
- CHECK
- 高齢期での循環器疾患と肝臓疾患の複合治療で診療費が232.2万円となった事例では、50%補償により32.5万円の保険金が支払われています。高齢期のキャバリアでは心疾患と肝疾患が併発することが多く、生涯にわたる投薬治療と定期検査が必要となるため、より高い補償割合(70%や100%)を選択することで、長期治療の経済的負担を軽減できます。
キャバリアの治療費が高額になりやすい理由
キャバリアの治療費が高額になる要因の一つは、犬種特有の心疾患と神経疾患の複合的な治療にあります。PS保険の支払い事例で最も高額な「消化器疾患・腹水」(保険金請求金額353.7万円)では、心不全による腹水貯留の可能性が考えられ、24時間体制の集中治療、腹水除去処置、強心剤・利尿剤の大量投与、人工呼吸管理などの高度な治療が必要となり、極めて高額な費用が発生したと推測されます。
また、「循環器疾患・耳疾患」(保険金請求金額277.2万円)、「循環器疾患・肝臓疾患」(保険金請求金額232.2万円)のように、心疾患が基礎にあると他の疾患治療も複雑化し、治療費が高額化する傾向があります。僧帽弁閉鎖不全症が進行すると、肝機能障害、腎機能障害、肺水腫などの合併症を起こしやすく、これらの治療には専門的な管理と高価な薬剤が必要となります。
さらに、脊髄空洞症のような神経疾患では、診断のためのMRI検査(10万円~30万円程度)に加え、外科治療が必要な場合は50万円~150万円という高額費用が発生します。キャバリア特有の頭蓋骨奇形に対する専門的な神経外科手術は高度な技術と設備を要し、術後の長期的な疼痛管理も含めると総治療費はさらに高額化します。これらの複合的な要因により、キャバリアは他の犬種と比較して極めて高額な治療費が発生しやすい犬種といえます。
キャバリアにおすすめのペット保険の選び方
PS保険の請求データを踏まえ、キャバリアの病気傾向に合った補償の選び方のポイントを紹介します。年齢別の加入タイミング、補償割合や限度額の考え方、さらに飼い主さんの「もしも」への備えまで、比較の要点を分かりやすく整理しました。
キャバリアの病気傾向から見る、押さえておきたい補償内容
キャバリアの保険選びで最も重要なのは、極めて高額な治療費に対応できる年間補償限度額です。PS保険の支払い事例では最高353.7万円という極めて高額な請求が報告されており、心疾患や神経疾患では集中治療や専門的な外科手術により治療費が著しく高額化する可能性があります。そのため、年間補償限度額が非常に高い保険を選択することが不可欠です。
また、心疾患の長期治療に対応できる補償設計が重要です。僧帽弁閉鎖不全症は一度発症すると、生涯にわたる投薬治療が必要となります。通院回数の制限が緩く、薬剤費も補償対象に含まれる保険を選択し、強心剤や利尿剤などの高価な心疾患治療薬の継続投与に備えましょう。
キャバリア特有の神経疾患(脊髄空洞症・変性性脊髄症・てんかん)に対する専門治療についても、MRI検査や神経外科手術、長期的な疼痛管理や抗てんかん薬治療が補償対象に含まれているかを確認することが重要です。これらの疾患では50万円~150万円という高額な手術費用が発生する可能性があります。
眼疾患(白内障・進行性網膜萎縮症)に対する専門治療や、PS保険のデータで外耳炎の診療費平均が約1.6万円となっていることから、継続的な通院治療や専門検査費用もしっかりと補償される保険を選びましょう。
さらに、心疾患による緊急疾患(心不全・肺水腫・腹水)に対する24時間対応の緊急治療についても補償内容を確認し、キャバリアの極めて多様で高額な疾患リスクに包括的に備えられる保険を選択することが重要です。
ペット保険加入タイミングと注意点
ペット保険は「健康なうちの早期加入」が基本原則です。加入時点で治療中・既往歴がある病気は補償対象外となる可能性があるため、健康時の契約が最も有利になります。キャバリアの場合、若齢期から注意すべき病気があるため、適切なタイミングでの加入を検討しましょう。
ペット保険の加入年齢制限について詳しく知りたい方は、「ペット保険は何歳から入るべき?加入の年齢制限や適切なタイミング」をご確認ください。
また、シニア期になると、商品によっては新規契約可能年齢の上限が定められており、入りたい商品に加入できないことや、既往症により加入制限がある場合があります。
シニア期のキャバリアが加入できるペット保険についての詳細は、「ペット保険は何歳まで入れる?シニアの犬も加入できる保険」をご確認ください。
さらに、ペット保険では加入から一定期間は補償対象外となる、待機期間が設けられている場合が多いです。この期間に発生した対象の傷病は補償されないため、事前に内容を理解しておくようにしましょう。待機期間についての詳細は、「ペット保険の待機期間と補償開始時期」をご確認ください。
補償割合・限度額の選択基準
キャバリアの保険選びでは、病気傾向を踏まえた補償割合と限度額の設定が重要です。継続的な通院が必要な慢性疾患と、突発的な高額手術の両方に備えられる補償内容を選択しましょう。
補償割合を選ぶ時の考え方
| 50% | 保険料を抑えたい場合に適していますが、高額治療時の自己負担が大きくなります。突発的な高額手術に備えたい場合は、より高い補償割合を検討しましょう。 |
|---|---|
| 70% | 保険料と自己負担のバランスが良く、人気の補償割合です。継続的な通院が心配だが、保険料の支払いもある程度抑えたい場合は、月々の治療費負担を軽減できる70%補償がおすすめです。 |
| 90% 100% |
自己負担を最小限に抑えられるため、いざという時に診療費の負担軽減効果が高く安心です。ただし、その分保険料は低い補償割合よりも上がります。保険料の負担が家計に影響がなく、高額治療への不安が強い場合はおすすめです。 |
補償割合の詳細な解説や各社の補償割合は、「ペット保険で補償される割合は?各社の補償割合一覧」をご参照ください。
限度額設定とは?
ペット保険の限度額設定は、主に「年間補償限度額」「1日(1回)あたりの限度額」「年間利用回数制限」の3つの要素で構成されています。年間補償限度額は1年間に受け取れる保険金の上限、1日あたりの限度額は通院・入院・手術それぞれの1回あたりの支払上限を指します。
実際の支払額は「診療費×補償割合」を上限に、これらの限度額・回数制限の範囲内で決まります。この限度額の構成や金額設定は保険会社や商品によって異なります。高額治療事例を踏まえ、いざというときに必要な金額を受け取れるように限度額の設定を比較検討することが大切です。
高額な入院費や手術費用に備え、年間の補償限度額を引き上げるために、ペット保険の複数加入で備える方法もあります。ペット保険の複数加入の詳細については、「ペット保険の複数加入とは?2つ入るメリット・デメリット」を参考にしてください。
ペット保険比較サイト「i保険」では、各商品の補償割合や、通院・入院・手術の限度額をわかりやすく比較できる、人気ランキングやプラン別に詳細を一括比較できる保険料検索ページがあります。犬のペット保険の人気商品や各社の保険料など比較したい方はぜひご活用ください。
ペット保険を選ぶ際のその他のポイントについて詳しく知りたい方は、「ペット保険の選び方を紹介!6つのポイントを解説」もご確認ください。
最期のお見送り(火葬・葬儀)費用への備え
愛犬の医療費への備えはもちろん、いつかは訪れるお別れの時まで責任を持って見送ることも、飼い主としての大切な役割です。
医療費補償に加えて、最期のお見送り(火葬・葬儀)費用まで備えられる補償を提供している保険会社もあります。愛犬との大切な時間を安心して過ごすために、このような包括的な補償も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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- 通話料はお客さまのご負担になります。
飼い主さんのもしもに備える選択肢
ペット保険は愛犬の医療費に備える重要な補償ですが、飼い主さんにもしものことがあった場合の愛犬の将来についても考えておくことが大切です。特に一人暮らしの方や、家族や親族、親しい友人の中でペットを飼える状況にない場合は、万が一の時に愛犬の引き取り手がいない状況に陥る可能性があります。
飼い主さんの万が一の事態に備えた「飼育費用補償」を提供する保険会社も登場しています。これは飼い主さんが亡くなったり、高度障害状態になった場合に、愛犬の新しい飼い主を見つけるための費用や一時的な保護費用を補償するものです。
愛犬との生活を長期的に考える上で、このような補償も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。愛犬が最期まで安心して過ごせる環境を整えることも、責任ある飼い主としての大切な備えといえるでしょう。
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キャバリアの病気予防と早期発見のコツ
キャバリアは僧帽弁閉鎖不全症や脊髄空洞症、変性性脊髄症、眼疾患、てんかんなどの重篤な疾患リスクを抱えており、さらに外耳炎や胃腸炎といった日常的な疾患も慢性化しやすい傾向があります。
これらの初期症状を見逃さないよう、毎日のチェックポイントを把握しておきましょう。ここでは、キャバリアの病気のサインから定期健診の重要性、病気予防のための環境づくりまで、実践的な予防策を詳しくご紹介します。
日常チェックで気づけるキャバリアの病気サイン
キャバリアの健康管理において、心疾患と神経疾患を中心とした犬種特有の疾患サインを早期に察知することが重要です。
- キャバリアの病気サインのチェックポイント
-
心疾患(僧帽弁閉鎖不全症)
散歩中の息切れや咳(特に夜間・早朝)、安静時の呼吸数増加(1分間に30回以上)、運動を嫌がる様子、失神、腹部膨満(腹水)、舌や歯茎の色が青紫色(チアノーゼ)などには注意が必要です。
-
神経疾患(脊髄空洞症)
首や肩周りの痛み、空中を掻くような仕草、感覚異常(触れると嫌がる)、歩行のふらつき、頭を傾ける、首を曲げたがらない様子などに注意してください。
-
神経疾患(変性性脊髄症・てんかん)
後肢の筋力低下、ふらつき、爪の異常な削れ、突然の痙攣・硬直、意識消失、よだれ、失禁、発作後の混乱状態などが見られた場合は緊急性があります。
-
眼疾患(白内障・進行性網膜萎縮症)
眼の白濁、夜間や暗所での行動が不器用になる、物にぶつかる頻度の増加、階段を怖がる、光る物体への反応低下などの視力低下サインに注意してください。
-
外耳炎・皮膚疾患・消化器症状
耳を掻く・頭を振る頻度の増加、皮膚の掻きむしり、食欲不振、嘔吐、下痢、便の色・形状の変化などを日々観察してください。
キャバリアは温厚で我慢強い性格のため、痛みや不調を表に出しにくい傾向があります。特に心疾患の初期症状は見落としやすいため、普段の行動パターンや呼吸の状態を注意深く観察し、少しでも異常を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。
定期健診の重要性と適切な受診頻度
キャバリアは心疾患のリスクが極めて高いため、3歳以降は年1~2回の心臓検査(聴診、心電図、心エコー)を目安に受診することが推奨されます。僧帽弁閉鎖不全症はキャバリアの発症率が他の犬種と比較して高いため、無症状のうちから定期的な心機能評価により早期発見・治療開始が可能になります。心雑音が検出された場合は、より頻繁な検査が必要です。
神経疾患の早期発見のため、年1回の神経学的検査を実施し、脊髄空洞症が疑われる場合はMRI検査を検討しましょう。また、変性性脊髄症のリスク評価のため、遺伝子検査の実施も推奨されます。歩様の変化や行動異常を定期的に評価することも重要です。
眼疾患の早期発見のため、年1回の眼科検診(眼圧測定、眼底検査、水晶体検査)を実施しましょう。白内障や進行性網膜萎縮症は初期症状が軽微なため、定期的な専門検査により早期発見が可能になります。血液検査(年1回、7歳以降は年2回)で全身状態をチェックし、心疾患に伴う肝機能・腎機能の変化も監視することが重要です。
歯周病も心疾患のリスクを高めるため、定期的な歯科検診も重要です。詳細は「犬・猫の歯周病対策と予防法!|歯周病が引き起こす全身疾患のリスク」をご確認ください。
キャバリアの病気予防のための環境づくり
心疾患予防のため、適正体重の維持と適度な運動が重要です。キャバリアの理想体重(5.5~8kg程度)を維持し、心臓への負担を軽減しましょう。散歩は朝夕各20~30分程度とし、激しい運動や興奮を避け、心拍数が上がりすぎないよう注意します。階段の使用も制限し、心臓への負担を最小限に抑えることが大切です。
神経疾患予防には、首や脊椎への負担軽減が重要です。首輪よりハーネスを使用し、首への圧迫を避けましょう。ソファからの飛び降りを防ぐためステップを設置し、滑りやすいフローリングには滑り止めマットを敷くことで、脊椎への衝撃を軽減できます。
美しい被毛を持つキャバリアでは、定期的なブラッシング(毎日)と適切なトリミング(月1回程度)で皮膚疾患を予防します。特に耳は垂れ耳で湿気がこもりやすいため、週1回の耳チェックと適切な耳掃除で外耳炎を予防しましょう。
キャバリアは温厚で人懐っこい犬種のため、ストレスを避け、規則正しい生活リズムを保つことも重要な健康管理の要素です。
キャバリアの病気やペット保険に関するよくあるご質問
キャバリアの病気やペット保険について、飼い主さんが疑問に思うご質問をQ&A形式でご紹介します。
キャバリアの僧帽弁閉鎖不全症は保険の補償対象となりますか?
ペット保険加入後の補償期間内に発症した僧帽弁閉鎖不全症は、一般的に補償対象となります。僧帽弁閉鎖不全症は、継続的な投薬治療により月々数万円の治療費が生涯にわたって発生することがあるため、愛犬が健康で若いうちの保険加入が重要です。
ただし、補償の範囲や条件は保険会社によって異なるため、加入前に必ず約款や重要事項説明書でご確認ください。
キャバリアの脊髄空洞症の治療費はどの程度ですか?
脊髄空洞症の治療費は症状と治療方法により大きく異なります。診断のためのMRI検査で10万円~30万円程度、外科治療が必要な場合は50万円~150万円程度かかることがあります。疼痛管理などの継続的な治療も必要となる場合があります。
治療費は動物病院や地域によって異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
キャバリアの心不全による高額治療は補償されますか?
ペット保険加入後に発症した心不全による治療は一般的に補償対象となります。PS保険の支払い事例では消化器疾患・腹水で353.7万円という極めて高額な請求も報告されており、集中治療が必要な場合は高額な治療費が発生する可能性があります。
ただし、補償の範囲や条件は保険会社によって異なるため、加入前に必ず約款や重要事項説明書でご確認ください。
キャバリアのてんかん治療は補償対象となりますか?
ペット保険加入後の補償期間内に発症したてんかんは、一般的に補償対象となります。診断のためのMRI検査や継続的な抗てんかん薬治療により長期的な治療費が発生する可能性があります。
ただし、補償の範囲や条件は保険会社によって異なるため、加入前に必ず約款や重要事項説明書でご確認ください。
キャバリアの保険料はどのくらいですか?
年齢や補償プランにより異なります。詳細の保険料は「キャバリアの保険料検索ページ」で該当の年齢を選択して確認できます。
既に病気を持っているキャバリアでも加入できますか?
既往症は基本的に補償対象外となり、健康状態によっては加入自体ができない場合もあります。健康なうちの早期加入が重要です。既往症の取り扱いについては、保険会社によって異なるので、保険商品の約款や重要事項説明書を必ずご確認ください。
その他のペット保険に関するご質問についてはペット保険のよくあるご質問ページもご確認ください。
よくあるご質問まとめ|キャバリアの病気リスクとペット保険の必要性
キャバリアは遺伝的疾患リスクが高く、PS保険の支払い事例では消化器疾患・腹水で353万円、循環器疾患・耳疾患で277万円、循環器疾患・肝臓疾患で232万円と、全犬種の中でも特に高額な治療費を要することが分かります。
キャバリアの循環器疾患は僧帽弁閉鎖不全症が代表的で、他の犬種と比べ高い確率で発症する遺伝的疾患です。進行すると心不全や肺水腫を引き起こし、集中治療や長期的な投薬管理が必要となります。また、消化器疾患では腹水を伴う重篤なケースも多く、利尿剤治療や腹水穿刺などの処置が継続的に必要となることがあります。さらにかかりやすい病気の外耳炎も16,000円と高額で、垂れ耳の構造により慢性化しやすい特徴があります。
キャバリアの健康を長期的に守るためには、遺伝的疾患の高額治療費に対応できる十分な補償内容と、若齢期からの加入を前提とした保険選びが重要です。人気ランキングや保険料検索を活用して、遺伝的疾患をしっかりとカバーし、キャバリアの特殊な医療ニーズに対応した保険を選び、愛犬との貴重な時間を大切にしてください。
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この記事の情報は一般的な内容を基にしており、個々のペットの状況によって対応は異なります。キャバリアの健康管理や、病気などに関するご不明な点は、動物病院や販売店など関係機関にご相談ください。また、診療費は動物病院や地域によって異なります。加えて、ペット保険に関する内容は各保険会社の最新の約款をご確認ください。
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- 執筆者
- 染谷 弥幸(1級ファイナンシャル・プランニング技能士/株式会社アイ・エフ・クリエイト)
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