ペット保険お役立ち情報
ペット保険の賠償責任特約とは?
補償内容と付帯できる保険を解説

更新日:
愛犬・愛猫との日常の中で、「もしペットが他の人にケガをさせてしまったら?」「散歩中に他人のものを壊してしまったら?」といった心配をされたことはありませんか。
ペット保険の賠償責任特約は、そんな万が一のリスクに備える大切な補償です。この記事では、賠償責任特約の基本的な仕組みから、実際に事故が起きた際のリスク、賠償責任特約が付帯できる保険選びのポイントまで、わかりやすく解説します。
- 目次
ペット保険の賠償責任特約とは?基礎からわかりやすく
ペット保険の賠償責任特約は、主契約のペット保険に追加で付帯できる補償です。愛するペットが思いがけず他人にケガをさせたり、物を壊してしまった際の法的責任をカバーします。この特約は、民法第718条で定められている「動物の占有者等の責任」の法的責任をカバーします。
- 民法における動物の占有者等の責任
-
民法 第七百十八条(動物の占有者等の責任)
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
このような損害賠償責任を負った際に、ペット保険の賠償責任特約があれば補償を受けることができます。この特約の基本的な仕組みについて詳しく見ていきましょう。
賠償責任特約が補償する内容
賠償責任特約では、一般的に以下のような損害について補償が受けられます。
ペットが他人にケガをさせてしまい、法律上の賠償責任を負った場合
ペットが他人に噛みつきや引っかきなどでケガをさせて、法律上の賠償責任を負った場合に補償されます。また、重度のケガの場合は、後遺症に対する慰謝料や逸失利益なども対象となることがあります。
ペットが他人の物品を壊してしまい、法律上の賠償責任を負った場合
ペットが他人の衣服を破いたり、家具や車などの物品を壊してしまい、法律上の賠償責任を負った場合に補償されます。散歩中に引っ張られて転倒し、他人のスマートフォンを壊してしまい賠償責任を負った場合なども対象です。
保険会社の承認を得て支出した訴訟費用や弁護士費用
ペットによる損害賠償事故が起きた際の訴訟費用や弁護士費用も補償対象とする保険があります。万が一裁判に発展した場合にも安心です。この場合、保険会社に事前に承認を得る必要があります。
- 注意
- 保険会社によって、補償対象となる範囲や補償金額等は異なります。詳細は各社の約款や重要事項説明書等を必ず確認するようにしてください。
賠償責任が補償されない主なケース
一方で、賠償責任特約でも補償されないケースがあります。契約前に必ず確認しておきましょう。
同居家族への損害
同居している家族や親族がペットによってケガをしたり、物を壊されても補償の対象外となります。これは、家族間での損害は一般的に賠償責任が発生しないためです。
故意・重過失による損害
飼い主が故意にペットをけしかけた場合や、明らかに重大な過失があった場合は補償されません。例えば、攻撃的になっているとわかっているのに制止しなかった場合などが該当します。
業務中の事故
ペットを使った営業活動中や、ペットショップなどの業務に関連した事故は対象外となることが一般的です。あくまで家庭でのペットとしての飼育における事故が対象です。
飼い主以外が管理中の事故
ペットホテルやトリミングサロンなど、一時的に他人に預けている間の事故は補償されない場合があります。
個人賠償責任保険との違いと併用の考え方
個人賠償責任保険は、日常生活での様々な賠償リスクを包括的にカバーする保険で、ペットによる事故も補償対象に含まれることがあります。ペット保険の賠償責任特約との違いを理解しておくことが大切です。
補償範囲の違い
個人賠償責任保険は、自転車事故や日常生活での様々な賠償リスクを幅広くカバーします。火災保険や自動車保険等の損害保険に付帯されていることも多いです。一方、ペット保険の賠償責任特約は、ペット特有の賠償リスクに特化した補償内容となっています。
併用する場合の考え方
既に個人賠償責任保険に加入している場合でも、ペット保険の賠償責任特約を重複して付帯することは可能です。ただし同一の事故については重複して保険金を受け取ることはできないため、補償限度額や自己負担額を比較して、どちらの保険を主に活用するかを検討しましょう。
- 補償の重複に注意
- 個人賠償責任保険やペット賠償責任特約など、同様の補償が複数の保険に付帯されている場合、同じ事故で受け取れる保険金の合計は実際の損害額が上限です。複数の保険がある場合は、各保険の保険金額に応じて按分して支払われますので、限度額が複数あっても損害額を超えて受け取ることはできません。契約前に現在の補償内容を確認し、ペット保険の賠償責任特約が必要か判断しましょう。
ペットが他人にケガをさせてしまう具体的なケースとリスク
ペットによる事故は、飼い主が想像する以上に様々な場面で発生する可能性があります。実際のケースを知ることで、リスクの大きさと備えの重要性を理解できるでしょう。
散歩中の賠償事故の事例や高額な賠償例
犬が散歩中に他人や他のペットにケガをさせて法律上の賠償責任を負った場合、賠償金額は50万円〜300万円程度になるケースがあります。例えば、軽い接触でも重傷や後遺障害が伴う場合は数百万円規模になることも珍しくありません。
- ■ 散歩中に起きる賠償事故ケース
-
歩行者への飛びつき事故
通りすがりの歩行者に愛犬が突然飛びつき、相手が転倒してケガをするケースがあります。小型犬でも、高齢者や小さなお子さんには大きな衝撃となることがあります。特に雨の日の滑りやすい路面では、軽い接触でも重大なケガにつながる可能性があります。
-
自転車との接触事故
リードが自転車の車輪に絡まったり、犬が飛び出して自転車を転倒させるケースも報告されています。自転車の損傷だけでなく、乗車していた人のケガも考慮する必要があります。
-
他のペットとの喧嘩
散歩中に他の犬と接触し、喧嘩になって相手のペットにケガをさせてしまうケースもあります。この場合、相手のペットの診療費だけでなく、飼い主の精神的ダメージに対する慰謝料を求められることもあります。
【実際の裁判例】散歩中のリード外れ事故
- 散歩中のリード外れ事故
-
甲府地方裁判所の判決(平成18年8月18日)では、散歩中にリードが外れた大型犬(ラブラドール・レトリバー)が散歩中の女性に接近し、転倒させて第12胸椎圧迫骨折を負わせた事故について、約155万円の賠償責任が認められました。
【事故の概要】
- 発生場所:散歩中の公園
- 事故態様:リードが外れた大型犬が前足を上げて接近、女性が回避行動で転倒
- 被害状況:第12胸椎圧迫骨折(47日間入院、その後通院治療)
- 賠償金額:約155万円
- 出典:甲府地方裁判所判決平成18年8月18日判決(平成17(ワ)566)
- 判例における情報は、個人情報保護のため一部修正・省略しています
- 賠償金額は個別の事情により大きく異なります
- Check
- この事例は、「噛みつき」がなくても、リード管理の不備により散歩中に高額な賠償責任が発生するリスクがわかります。また、被害者の年齢や体質によって損害が拡大するリスクもあります。
ドッグランや公園で起きる賠償事故の事例や高額な賠償例
ドッグランや公園など多くの犬が集まる場所では、普段大人しい犬でも興奮して思わぬ行動を取ることがあります。犬同士のけんかなどで相手のペットをケガさせて法律上の賠償責任を負った場合は、数万円〜数十万円の損害賠償金が必要になる可能性があります。また、ペットが人に衝突してケガを負わせて法律上の賠償責任を負った場合、50万円〜300万円程度、重傷時は数百万円の損害賠償金に達することもあります。
- ■ ドッグランや公園で起きる賠償事故ケース
-
他の犬への噛みつき事故
ドッグランでの遊びが興じて喧嘩に発展し、相手の犬に重傷を負わせてしまうケースがあります。特に大型犬の場合、小型犬に与えるダメージは深刻になりがちです。
-
他のペットの飼い主さんへの衝突事故
他のペットの飼い主さんへ衝突し、相手が転倒してケガをするケースがあります。ドッグランの解放感から通常よりも犬のスピードがあがり、人に衝突すると大きな衝撃となることがあります。
-
施設の設備損傷
公園の遊具や柵、他の利用者の持ち物を壊してしまうケースも考えられます。公共施設の修繕費は意外に高額になることがあります。
【実際の裁判例】ドッグランでの突進事故
- ドッグランでの突進事故
-
神戸地方裁判所の判決(平成28年12月26日)では、ドッグラン内で大型犬(ゴールデンレトリバー等)が小型犬の飼い主に向かって突進し、転倒させて頚椎捻挫を負わせた事故について、約104万円の賠償責任が認められました。
【事故の概要】
- 発生場所:ドッグラン
- 事故態様:複数の大型犬が連なって突進、飼い主が転倒
- 被害状況:頚椎捻挫(救急搬送)
- 賠償金額:約104万円
- 出典:神戸地方裁判所平成28年12月26日判決(平成27年(ワ)第1105号)
- 判例における情報は、個人情報保護のため一部修正・省略しています
- 賠償金額は個別の事情により大きく異なります
- Check
- この事例は、「噛みつき」がなくても、犬の突進や衝突により高額な賠償責任が発生するリスクがわかります。
実際の賠償金額の目安
ペット事故による賠償金額は、ケガの程度や状況によって大きく異なりますが、実際の事例から目安を知っておくことが大切です。
賠償金額の目安早見表
事故の種類 | 賠償金額の目安 | 具体例 |
---|---|---|
人身事故 | 50万円〜300万円 | 転倒による骨折、 入院、手術 |
物損事故 | 1万円〜20万円 | 自転車や衣服の損傷、ドッグラン設備(柵・遊具)の破損 |
診療費
軽いケガでも、初診料、検査費、薬代などを含めると数万円の費用が発生します。骨折などの重傷の場合、手術費用や入院費、リハビリ費用を含めて数十万円から数百万円を超えるケースもあります。
慰謝料
身体的なケガに加えて、精神的な苦痛に対する慰謝料も請求される場合があります。特に、顔に傷が残るような場合や、ペットに対する恐怖症を発症した場合などは、慰謝料が高額になることがあります。
弁護士費用・訴訟費用
示談がまとまらずに裁判に発展した場合、弁護士費用や裁判費用も加算されます。これらの費用は、賠償金額とは別に数十万円になることもあります。
- ポイント
- 近年では、ペットも家族の一員として扱われることが多く、事故の際には高額な請求や訴訟に発展するケースもあります。万が一に備え、ペット保険に賠償責任特約を付帯しておくと、人や他のペットへの損害賠償、物損事故まで幅広くカバーでき、安心してペットとの生活を楽しめます。
賠償責任特約の比較ポイント
賠償責任特約を選ぶ際は、補償内容と保険料のバランスを慎重に検討することが大切です。ここでは、特約選びで重要となる比較ポイントを詳しく解説します。
ポイント 1リスクに備えた補償限度額の選択
補償限度額は、万が一の事故時に受けられる保険金の上限を決める重要な要素です。
1事故あたりの限度額と年間限度額の違い
保険会社によって、補償限度額の設定は異なります。「1事故につき○○万円」と設定されている場合と、「年間○○万円まで」と設定されている場合があります。
- 1事故あたりの限度額の場合
- 1回の事故で支払われる保険金の上限額です。例えば「1事故につき300万円」の場合、1回の事故で300万円の賠償が発生すれば自己負担額を差し引いた金額の全額が補償されます。その年に別の事故が起きても、再び300万円まで補償を受けることができます。
- 年間限度額の場合
- 1年間で支払われる保険金の合計上限額です。例えば「年間500万円」の場合、1回目の事故で300万円を受け取ると、その年の残りは200万円となり、2回目の事故では200万円を超える分は自己負担となります。
このように、1事故あたりの限度額の方が、高額な事故や複数回の事故に対してより手厚い補償を受けられるため、一般的により安心できる設定といえます。
適切な限度額の考え方
一般的な目安としては、300万円から500万円程度の補償があると安心です。重大な事故では損害賠償が数百万円に及ぶこともあり、この範囲であれば多くのケースをカバーできます。なお、ペット保険の賠償責任特約は追加保険料数百円程度なので可能であれば高めの設定を選ぶのがおすすめです。
ポイント 2自己負担額の有無による違い
自己負担額(免責金額)の設定によって、賠償事故があった場合の実際に受け取れる保険金の内容が変わります。
自己負担額ありの場合
自己負担額がある場合、実際に事故が起きた際に一定額を自分で負担する必要があります。例えば、自己負担額3,000円の場合、1万円の損害が発生しても7,000円しか保険金を受け取れません。
自己負担額なしの場合
自己負担額がなしの場合、少額の損害でも全額補償されるため、安心感は高くなります。
ペット事故の場合、数千円の物損から数百万円の人身事故まで幅広いリスクがあるため、どのような損害でも確実にカバーされる自己負担額なしを選ぶ飼い主さんもいらっしゃいます。
ポイント 3賠償責任特約の保険料とコストパフォーマンス
賠償責任特約を追加する際は、特約保険料と得られる安心感のバランスを考慮することが重要です。
特約保険料の目安
賠償責任特約の保険料は、一般的に月額数百円前後程度と比較的手頃な設定となっています。主契約の保険料と比べると小さな負担で、大きな安心を得ることができる特約といえます。
コストパフォーマンスの考え方
万が一の事故で数百万円の損害賠償責任を負う可能性を考えると、月額数百円前後の特約保険料は非常にコストパフォーマンスが高い投資といえます。ペットとの日常生活での安心感を考慮すれば、特約の価値は保険料を大きく上回るでしょう。
ポイント 4対象動物に合わせた保険の選択
飼っているペットの種類によって、賠償責任特約を付帯できる保険には違いがあります。
犬・猫の場合は、複数の商品で賠償責任特約を提供しており、選択肢が豊富です。大型犬の場合は特に賠償リスクが高いため、充実した補償内容の特約を選ぶことをおすすめします。実際に賠償責任特約が付帯できるペット保険は、後述する「【犬・猫専用】賠償責任特約を付帯できるペット保険比較表」をご確認ください。
一方、鳥やその他の動物(小動物・爬虫類)の場合、賠償責任特約を提供している保険会社は限られます。ただし、賠償責任特約を提供している保険会社はあるので、後述する「【鳥・小動物専用】賠償責任特約を付帯できるペット保険紹介」をご確認ください。
賠償責任特約を付帯できるペット保険4社8商品を比較
賠償責任特約を付帯できるおすすめのペット保険4社を保険対象の動物別にご紹介します。対象の動物に合わせて賠償責任特約が付帯できる保険選びの参考にしてください。
【犬・猫専用】賠償責任特約を付帯できるペット保険比較表
犬や猫を飼っている方向けの賠償責任特約を比較しています。支払限度額(1事故あたりか年間かの違いに注目)、自己負担額の有無、月々の追加保険料を参考に、ご自身の飼育環境に最適な保険をお選びください。
アイペット損保 | |||
---|---|---|---|
補償内容: |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
500万円 (1事故につき) |
自己 負担額 |
なし | ||
追加 保険料 |
月払:130円 年払:1,460円 |
||
補償内容:入院/手術 |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
500万円 (1事故につき) |
自己 負担額 |
なし | ||
追加 保険料 |
月払:130円 年払:1,460円 |
||
アニコム損保 | |||
補償内容: |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
1,000万円 (1事故につき) |
自己 負担額 |
1事故につき3,000円 | ||
追加 保険料 |
月払:140円 年払:1,500円 |
||
補償内容:入院/手術 |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
1,000万円 (1事故につき) |
自己 負担額 |
1事故につき3,000円 | ||
追加 保険料 |
月払:140円 年払:1,500円 |
||
日本ペット | |||
補償内容: |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
100万円 (年間最大の補償額) |
自己 負担額 |
なし | ||
追加 保険料 |
月払:90円 一括払:950円 |
||
補償内容: |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
500万円 (年間最大の補償額) |
自己 負担額 |
なし | ||
追加 保険料 |
月払:100円 一括払:1,100円 |
||
楽天損保 | |||
補償内容: |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
300万円 (1事故につき) |
自己 負担額 |
1事故につき1,000円 | ||
追加 保険料 |
月払:55円 年払:600円 |
||
補償内容:入院/手術 |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
300万円 (1事故につき) |
自己 負担額 |
1事故につき1,000円 | ||
追加 保険料 |
月払:55円 年払:600円 |
各社の詳細な商品内容や保険料の比較は、プラン別に一括比較できる保険料検索ページをご活用ください。また、犬や猫それぞれの人気ペット保険をランキング形式でご紹介しています。対象のペットの種類に合わせてぜひご利用ください。
- 詳細は各社の約款・重要事項説明書をご確認ください。
【鳥・小動物専用】賠償責任特約を付帯できるペット保険紹介
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アニコム損保 | |||
---|---|---|---|
補償内容: |
賠償責任特約 | 支払 限度額 |
1,000万円 (1事故につき) |
自己 負担額 |
1事故につき3,000円 | ||
追加 保険料 |
月払:140円 年払:1,500円 |
各社の詳細な商品内容や保険料の比較は、プラン別に一括比較できる保険料検索ページをご活用ください。また、鳥やその他のペット(小動物・爬虫類)それぞれの人気ペット保険をランキング形式でご紹介しています。対象のペットの種類に合わせてぜひご利用ください。
-
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賠償責任特約を付帯できるおすすめのペット保険の「おすすめ」とは、i保険で取り扱いのある保険会社のうち、賠償責任特約を付帯できるペット保険をまとめて「おすすめ」として紹介しています。そのため、保険商品の優劣を意味するものではありませんのでご注意ください。商品詳細につきましては、必ず各保険の「パンフレット」「重要事項説明書」をよくお読みください。
ペット保険の賠償責任特約に関するよくあるご質問
賠償責任特約について、多くの飼い主さんから寄せられる質問にお答えします。加入前の不安や疑問の解消にお役立てください。
旅行先での事故も補償されますか?
国内旅行先での事故については、多くの場合補償対象となります。ペットと一緒に旅行中に発生した事故でも、日常の散歩中と同様に賠償責任特約の対象です。
ただし、海外旅行の場合は補償されないことが一般的です。海外でのペット事故については、旅行保険の個人賠償責任補償や、海外対応の保険への加入を検討しましょう。
- 保険会社によって補償の規定は異なります。各社の商品の約款をご確認ください。
個人賠償責任保険があれば賠償責任特約は不要ですか?
個人賠償責任保険などでペットが起こした賠償事故もカバーされている場合は補償が重複する可能性があるので、不要な可能性があります。なぜなら、ペット保険の賠償責任特約で補償が重複しても同じ事故について重複して保険金を受け取ることはできないからです。
ただし、補償限度額の違いや保険料のバランス、保険金請求の管理の面などでペット保険の特約を付帯する方が飼い主さんのニーズにマッチする可能性もあります。必要な賠償責任の補償範囲や保険料のバランスなどを考慮して検討することをおすすめします。
多頭飼いの場合、頭数ごとに特約が必要になりますか?
多頭飼いの場合の補償範囲は、保険会社や商品によって異なります。契約前に、多頭飼いの場合の補償範囲について詳しく確認しておくことが大切です。
- 1契約でカバーされる場合
- 1つの契約に賠償責任特約を付帯することで、契約者が飼育している他のペット(犬・猫)による事故が補償対象となります。例えば、犬を3匹飼っている場合でも、1つの特約で全ての犬による事故をカバーできます。
- 個別契約が必要な場合
- ペット1匹ごとに個別の契約と特約の付帯が必要な場合です。例えば、2匹の犬のうち1匹は特約を付帯、もう1匹は特約を付帯していない場合、特約を付帯していない犬が賠償事故を起こした事故は補償対象となりません。
- 保険会社によって補償の規定は異なります。各社の商品の約款をご確認ください。
既にペット保険加入後でも特約だけ追加できますか?
既にペット保険に加入している場合の特約追加については、保険会社によって対応が異なります。一般的に契約期間中の途中付帯は難しい場合が多く、契約の更新時のみ追加可能な場合が多いです。
更新時に特約を追加する場合、契約更新前の保険会社で定められた期間中に申込みや手続きをする必要があります。特約の追加を検討している場合は、まず現在の保険会社に連絡して、追加の可否と手続きについて確認することをおすすめします。
その他のペット保険に関するご質問についてはペット保険のよくあるご質問ページも確認ください。
よくあるご質問まとめ|ペット保険の賠償責任特約で万が一のリスクに備えよう
ペット保険の賠償責任特約は、愛するペットが他人にケガをさせたり、物を壊してしまった際の法的責任をカバーする重要な補償です。
日常の散歩やドッグランなど様々な場面でペット事故のリスクは存在します。事故の内容や状況によっては、高額な損害賠償を求められる可能性もあります。
ペットとの安心できる毎日のために、万が一のリスクにしっかりと備えておくことをおすすめします。まずは、現在の保険の補償内容を確認し、必要に応じて賠償責任特約が付帯できるペット保険の検討をしてみてください。
この記事では一般的なペット保険で多いケースを紹介しています。実際の保険内容は各保険会社の最新の約款をご確認ください。
【アイペット損保】募2508-210(27.08)
【アニコム損保】W2508-001848
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- 執筆者
- 染谷 弥幸(1級ファイナンシャル・プランニング技能士/株式会社アイ・エフ・クリエイト)
「安心できる金融商品選びをわかりやすくカンタンに」という当社のミッションを胸に、お客様が自分に合った商品をみつけるための情報をわかりやすく紹介します。