子供の自転車保険の必要性や加入方法

自転車は免許の必要がなく気軽に利用できる移動手段として、低年齢の幼児から中高校生の通学時など自転車を利用するシーンは様々かと思います。
では未成年である子供に自転車保険は必要なのでしょうか。
家族内で1人の子供しか自転車を利用しない場合はどのような自転車保険の加入を検討すべきでしょうか。
このページでは子供の自転車保険についてわかりやすく解説します。

目次

自転車乗用中の子供に関する事故発生件数

自転車乗用中の死傷者数

警察庁が発表した「子供等の交通事故について」の全年齢層、65歳以上、15歳以下の状態別死傷者数の割合を確認すると15歳以下の自転車乗用中の死傷者数の割合は37.4%を占めています
自転車乗用中の死者数は全年齢では15.1%、65歳以上では19.1%となっており、15歳以下の37.4%は他の年齢層に比べ高いことがわかります。

全年齢層・高齢者・子供の状態別死者数割合【平成24年~平成28年合計】

さらに、中学生、高校生の状態別死傷者数のデータをみると、中学生、高校生では自転車乗用中の死傷者数の割合が最も高いことがわかります。
これは通学等で自転車を日常利用する割合が増えることが要因だと考えられ、時間帯別死傷者数は登下校中である7、8時台、16時台から18時台が多くなっています。

中学生・高校生の状態別死傷者数【平成24年~平成28年 5年間計】

子供の加害事故

自転車の利用は子供自身がケガ等の被害を受けるだけではなく、歩行者などに衝突し子供が加害者になってしまう可能性もあります。事故データによると、自転車と歩行者の事故は中高生など若年層の自転車運転者によるものが多いことがわかります。
また児童・生徒の自転車関連死亡・重傷事故における自転車運転者の法令違反を確認すると、約8割が安全運転義務違反や一時不停止などの法令違反をしていました。

「自転車対歩行者」事故のうち歩行者死亡・重傷事故における自転車運転者の年齢層別件数【平成30年~令和4年 5年間計】

児童・生徒の自転車関連死亡・重傷事故における
自転車運転者の法令違反件数【平成30年~令和4年】

小学生 中学生 高校生
件数 割合 件数 割合 件数 割合
違反なし 234 18% 335 20% 687 20%
安全運転
義務違反
451 34% 652 40% 1,428 41%
交差点
安全進行
214 17% 204 12% 413 12%
一時
不停止
202 16% 222 13% 448 13%
信号無視 22 2% 51 3% 124 4%
その他 168 13% 197 12% 376 11%
法令違反
件数計
1,057 82% 1,326 80% 2,789 81%

事故データにより子供の自転車事故の件数は決して少なくないこと、子供は被害者だけでなく加害者の立場になる可能性があることもよくわかります。
万が一の時に備えて、子供が自転車を利用する際は、自転車保険へ加入することをおすすめします

子供の自転車事故に備えるには?

子供の自転車事故に備えるには、「子供自身のケガの補償」「加害者になった場合の賠償責任を補償」できる自転車保険へ加入しましょう。実際に自転車保険で補償される内容を解説していきます。

子供自身のケガの補償

万が一の自転車事故で身体に被害を受けた際、自転車保険に加入していると以下のような補償を受けられる場合があります。補償される内容や保険金額などはプランによって異なりますので、どのような補償が必要かを検討してプラン選択をするといいでしょう。

補償内容

死亡・後遺障害保険金
事故が発生した日を含めて180日以内に、被保険者が死亡した、もしくは後遺障害が生じた場合に支払われます。
入院保険金
事故が発生した日を含めて180日以内に、被保険者が入院した場合に支払われます。
手術保険金
事故が発生した日を含めて180日以内に、被保険者が事故によるケガの治療のために手術を受けた場合に支払われます。
通院保険金
事故が発生した日を含めて180日以内に、被保険者が事故によるケガの治療のために通院された場合に支払われます。

このような場合のケガの補償に!

  • 自転車走行中に転倒し、
    足を骨折して入院、通院をした
  • 幼児の子供を乗せ、送迎をしている際に
    自転車と衝突して子供が腕を骨折し通院した

万が一の加害事故の補償

子供が自転車乗用中に交通事故を起こし他人をケガさせてしまった場合は自転車保険の賠償責任補償で補償されます。未成年であっても高額な賠償金を請求される例がありますので、賠償責任補償は最低でも1億円以上が設定されているプランをおすすめします

未成年でも高額賠償に!実際の賠償例

賠償額:9,521万円
男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車走行中、歩道と車道の区別の無い道路において、歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い意識が戻らない状態となった。

(神戸地裁、平成25年7月4日判決)

このような日常生活の賠償事故のリスクにも!

  • 駐車している他人の車に
    子供が自転車でキズをつけてしまった
  • 買い物中に店先で
    子供が商品を壊してしまった
  • 日常生活における賠償事故の補償は保険会社によって補償の条件が異なります。詳細は各保険会社をご確認ください。

子供に自転車保険の補償がほしい!子供の自転車保険の加入方法は?

子供にも必要不可欠な自転車保険ですが、どんな自転車保険に加入すれば子供を補償の対象にできるのでしょうか。補償対象にしたい子供の人数や他に加入している保険の有無などによって最適な加入方法が異なります。
ここでは子供1人だけを補償の対象にしたい場合と、兄弟など複数の子供を含め家族全員を補償の対象にしたい場合を例に解説していきます。

CASE 1子供1人だけを補償の対象にしたい場合

自転車を利用するのが子供1人だけの場合、保険料を抑えることができる個人型プランでの加入をおすすめします。この場合、保険料の支払いをする契約者は保護者、補償対象の被保険者を子供に設定します。

子供1人のみ自転車利用する場合の加入例

【 5人家族の場合 】
父・母・長男(6歳)祖父・祖母

息子が自転車に乗るようになりました。家族で他に自転車を利用する者はいないので、自転車保険の補償対象にしたいのは6歳の息子のみです。

タイプ
個人型
契約者
被保険者(補償の対象)
長男(6歳)
メリット
補償範囲を絞ることで
保険料を抑えられる
デメリット
子供が増えたり、補償対象の範囲の
変更をしたい場合は保険の見直しが必要

CASE 2子供を含め家族全員を補償の対象にしたい場合

補償の対象にしたい子供が複数いる場合や、子供以外に自転車を利用する可能性がある方がいる場合は家族型での加入をおすすめします。家族型の自転車保険は家族の人数が増えても保険料がかわることはありません。また補償対象範囲内の家族を常時補償してくれるので、加入漏れがなく安心です。

子供に加えて他の家族も自転車利用する場合の加入例

【 6人家族の場合 】
父・母・長男(12歳)長女(10歳)祖父・祖母

夫婦で通勤時に自転車を利用しています。子供たちもそれぞれ自転車を持っていて、利用しています。

タイプ
家族型
契約者
被保険者(補償の対象)
家族全員
メリット
1つの契約で子供から祖父母までの
家族全員が補償され保険料を抑えられる
デメリット
家族全員が同じ補償内容となり、
変更したい場合は保険の見直しが必要
  • 契約者と被保険者本人が同一の場合

家族型の補償範囲の家族についてなど、
家族型の自転車保険の詳細を知りたい方はこちら

子供の自転車保険を選ぶ際に注意するポイントは?

自転車保険は保険料が安くインターネットから加入できる商品が多くありますが、すでに加入している保険と補償内容が重複してしまう可能性があります。特に賠償責任補償に関して、重複して補償を受けることはできないため注意が必要です。

保険商品によって補償内容やサービス等が異なりますので、自転車保険に加入する前に現在加入中の各保険について把握することが大切です。

補償が重複している保険はありませんか?

火災保険、自動車保険などに賠償責任補償が付帯されている

賠償責任補償は実際に起こった損害範囲内でしか保険金は支払われません。
賠償責任補償を重複して契約している場合でも支払われる保険金が増えるわけではないので注意しましょう。

子供のケガなどを補償する傷害保険に加入している

補償内容が重複する可能性があります。
補償が過度になり保険料の負担が大きくなっていないか確認しましょう。

現在加入している保険ではどのような補償がついていて、家族の誰が補償範囲になっているか把握していますか?
契約してから時間が経つと補償の範囲や特約の内容が曖昧になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は今ある保険の整理や見直し、ライフプランの作成など、総合的に無料でFPに相談できる『ライフプラン相談』もおすすめです。

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まとめ

自転車を通学などで利用する頻度が高い未成年者は、事故データからもわかるように自転車事故の被害者だけでなく加害者になる可能性も高くなっています。
事故を起こさないように、安全にルールを守って自転車を利用することも大事ですが、万が一の事故の際に対応できるように必要な補償を選択し、ご家庭の状況に合わせたプランで自転車保険へ加入することが重要です。

子供が安心して自転車を利用できるようにぜひ各商品を比較検討してみてはいかがでしょうか。